あつじ屋日記
まんが家・山本貴嗣(やまもとあつじ)の日記です。 作品から日々思うことまで色々書いてます。
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「ちゃ」
 これまでにも申し上げてきましたが、私の田舎は山口県の防府市です。
 御国言葉に「ちゃ」があります。
 「ちゃ」というと、高橋留美子先生のマンガ『うる星やつら』のヒロインであるラムちゃんの話すセリフの終わりについたことで、全国的に有名になったフレーズだと思います。

 防府だと「・・・ちゃ」は呼びかけの時に使います。
「山本ちゃ」
 と言うと「山本ってば」とか「山本よう」みたいな意味になって。

 あと例えば誰かが私を指して
「あれが山本ちゃ」
 と言う場合は「あいつが山本だよ」の「だよ」の部分に相当します(「だってば」に近いかもしれません)。

 亡くなった祖母などは、何か呆れたことがあったりすると「ちゃっ!」と単独で使っていたりもしました。
「なんとまあ」とか「まったくもう」とか言った意味です。

 とは言え、私は1977年に初めて高橋先生とお会いしてから(当時はどちらもまだアマチュアだった)一度も彼女の前で山口弁や防府弁?を使ったことがありません。そもそも同郷人と話すとき以外は標準語です。
 つまり高橋先生が私の山口弁を作中に取り入れるということは、ありえないのです。

 さて、ではラムちゃんの「ちゃ」はどこから来たのか。もしかして高橋先生の故郷、新潟でもそういう方言があるのか。
 あるとき、むくむくと疑問がわいて、ご本人に電話をかけました。
 「あー、あれは私の故郷の言葉じゃないですよ」
 高橋先生曰く。
 要約すると、先生が最初に「・・・ちゃ(あるいは「だっちゃ」?)」言葉を目にしたのは井上ひさし氏の小説だったとか。同じく高橋先生の作品に、ラ○ちゃん以前に「だっぴゃ半魚人」というキャラがありましたが、ラムちゃんが「だっぴゃ」では可愛くないので「ぴゃ」ではなく「ちゃ」にしてみたとか。
 もはや何十年も前のことで詳細は確かではありませんが、だいたいそういう経緯だったようです。
 もしかすると佐渡の方では「ちゃ」と言うかもとのことでした。
 「うる星」連載中は、色々な地方のファンの方から
「うちの田舎でも『ちゃ』と言います」
 というファンレターをもらったそうです。

(この記事は2004年6月の私の雑文を元に再構成しました)
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