あつじ屋日記
まんが家・山本貴嗣(やまもとあつじ)の日記です。 作品から日々思うことまで色々書いてます。
201702<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201703
『夢のカルテ』ジリアン・ホロウェイ著
『夢のカルテ』
『夢のカルテ』 ジリアン・ホロウェイ・著/柏倉美穂・訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン・刊

 同書の解説によると、著者のジリアン・ホロウェイ博士は、
<文学博士号、心理学博士号を持ち、夢の専門家として、夢を理解し、積極的に活用する研究や実践に取り組んでいる>
<現在アメリカ太平洋岸北西部に住み、メリルハースト大学で夢の心理学と直感について教える一方、個人的な夢の研究会も主催>
<2004年には太平洋岸北西部地区夢研究会を主催。トランスパーソナル心理学協会の会員でもある。彼女のホームページは、夢研究の情報源として高く評価されている>
 etc・・・・。

 というわけで、これは「夢占い」ではなく「夢分析」「夢解釈」の本です。
 博士が長年にわたって集めた膨大な夢の情報を元に、様々なタイプの夢の意味を解説しています。
 どこから読んでも興味深く、気の向いたときに好きなとこだけ読めるのも気楽でいいです。
 私は学者ではないので、ホロウェイ博士の分析の信頼度がどれくらいかはわかりません。
 ただ一点、大変驚いた一致がありまして

 私は2007年の春に「義父に関する正夢」という記事を書きました。
 恣意的解釈もへったくれもない、そのものズバリの予告夢(義父が急死した日の朝に、義父の死亡通知を受け取る夢)だったんですが
 興味深いのはそれといっしょに見たもう一つの夢。
 日記にも書いたとおり、目覚めたときは、義父に関する夢は本題ではなく、てっきりそっちが本題だと思ったくらいインパクトの強い夢でした。
 それは世界が崩壊する夢です。

 日本なのか外国なのか、今なのか未来なのか、あるいは遠い過去なのか、その辺のところはわかりません。
 フルカラーのハリウッドSF映画みたいな(長さと言うか見ごたえもそれくらい)ボリュームで、私はなんだか世界を破滅させないためにあれこれ働いている人々の一人で、別にアクションとかはないんですが、とにかく巨大な工場みたいな中とか、あちこち駆け回ってたりします。
 一方で世界の崩壊に拍車をかけている勢力もあって、互いにしのぎを削ってるぽいんですが
 結局、苦労は実を結ばず、クライマックスで世界崩壊が始まります。

 新宿副都心クラスかもっとでかいビル群が一斉に傾いて海中に没していくんですが、私はなぜかビルの外と中との両方の視点を持っていて、屋上に置かれた細かな物体や貯水タンク?かなにかが、斜めになった屋根を転がり、手すりを突破して落下していくのを、ロングと、ビル内から窓の外を見るカットで眺めます。
 本当ならば手に汗握るシーンなのですが、私は最初から最後まで落ち着いて淡々とすべてを眺めています。
 「こんなに危ういもの(海?)の上に世界が成り立っていたなんて」
 と泣き叫ぶ誰かの声が聞こえるのですが
 「そうか(その人は)そんなことも知らずに暮らしていたのか」
 と思いながら、なんら動揺することもなく、聞いています。

 すべてが終わって、シーンは飛んで、私は衛星軌道上の宇宙ステーションのターミナルのような場所にいます。
 服装は平服だったような気がします。
 背広?を着た同い年くらい?の男性が
 「山本さんじゃありませんか」
 みたいな感じで話しかけてきます。
 「私は次は○○に行くことになりまして」
 と成田の乗り換え便の話でもするように言います。私(山本)はその人といっしょには行かないようです。なんだか残るような感じもあるんですが、その辺は覚えていません。
 最後に、なにか宇宙船の窓のような所から、私は外の宇宙を眺めながら
 「また一人になったな」
 みたいなことを言って、さて次は何をするのだろうと思いながら夢は終わります。


 それがどうしたと思われるでしょうが、
 ホロウェイ博士のこの本で見ると
「世界が終わる夢」
 の項にこんな興味深い下りがあります。

<CASE 24 世界が終わる夢
 ついに世界が終わる日が来た!
 誰もがパニックになり、泣き叫びながら、
 逃げ場のない地獄の中を必死になって逃げ回ります。
 あなたも逃げようともがきますが、「もうダメだ!」という気持ちが募ってきます。
 死ぬ前に、せめて、家族や友だちに会いたい。
 ほとんど何もできないもどかしさと、瞬く間に世界が一変してしまった恐怖が、あなたの心を引き裂きます。

夢診断
 大切なものを失ってしまったのではありませんか?
 
 この夢は、あなたの人生の基盤をゆるがすできごとを表しています。多くの場合、親や配偶者との死別です。親子や夫婦の関係は日常生活の土台であり、将来の計画を立てるときの基盤だからです。生活に起こった変化のために、あなたの世界観までガラリと変わってしまったように思われるでしょう。
 これまでのあなたの人生がどんなものであれ、それが変わってしまった。もう二度と元には戻らない。ちょうど、あなたはそんな体験をした直後なのかもしれません。
 あなたの体験が、そのように激しく動揺させるようなものではなかったとしても、心はその変化を人生の一時期が終わったしるしとして受け止めているのです>

 いかがでしょう?
 私はこのホロウェイ博士の「「診断」には驚きました。
<世界が終わる夢>は<多くの場合、親や配偶者との死別です>。
 そのものズバリではありませんか。
 私(山本)は自己の生死も、愛するものとの死別も、世界の崩壊さえも淡々と執着しないで生きることを近年信条としています。愛することと執着することは別だからです。
 博士が言うような、パニック、嘆きは、そういうわけで夢の中にはまったく自分のこととしては登場しません(誰かの声が私の「投影」である可能性はありますけど)。
 破滅の最中もあとも、夢の中でも私はずっと穏やかです。
 しかし、実生活において、長きに渡りこの上もなく世話になった義父を失った喪失感というのは、単純な喜怒哀楽では表せないものがあります。
 ホロウェイ博士は言います。

<あなたの体験が、そのように激しく動揺させるようなものではなかったとしても、心はその変化を人生の一時期が終わったしるしとして受け止めているのです>

 そのとおりだと思います。
 あの日を境に私は、義父とのかけがえのない交流を失いました。
 先日も、義母はじめ妻の一家と新年の会食をし、楽しく語らいながら、昔はここに義父がいたのになあとしみじみ思いました。
 血を分けた肉親でもない私に対して、生前義父が示してくれた厚意は、言葉では言い尽くせないものがあります。死後もずっと、義父を忘れた日はありません。就寝前に、一日をすべてに感謝するとき、必ず思い浮かべ敬意をこめて挨拶します。

 ホロウェイ博士は、上記の記事に続けて「助言」を述べています。

<あなたが体験した変化が、どれほど深いものかがわかれば、今途方に暮れ、鬱々としていても、心のぬくもりを忘れずにいられるでしょう。この闇のあとには、きっとすぐに新しい始まりの光が見えることもわかるでしょう。最良の方法は、あなた自身をあたたかく慰め、急がなくてもいいと認めてあげることです。
 この方法は時間がかかります。変化を受け入れ、まったく新しい状況に合わせて、自分を変えていくのですから。
 できる限りでかまいません、なくしたものへの哀しみも含め、時間の流れをありのままに受け入れましょう。この変化に呆然としているあなたの傷ついた心を、穏やかに、優しく見守ってください。
 おいしい物を食べ、ゆっくり休み、頼りになる友だちに会う・・・。何か気晴らしになることをやってみるのです。やがて、この「終わり」を抜け、人生の新たな段階に入ることができるでしょう。
 無理に抜け出そう、毅然と振る舞おうと意気込まないこと。愛情を持って「今」を通り抜けてください。そうすれば、再びあなたの人生は生き生きと輝き始め、次の章が始まることを教えてくれるでしょう>

 そのとおりだと思います。
 これまでも幾度も言葉を代えて語ってきましたが、人はその表面、肉体にせよ心にせよ、は傷つくことがいくらもあります。事故に逢えば負傷し、愛するものを失えば心が凹みひび割れます。
 でも、その奥底に、そういう外的な何物にも影響されない、ゆるぎない「私」があります。
 自分をそこに置いて世界を見れば、何も恐れることはありません。
 でも傷ついた肉体を癒すのに、一定の時が必要なように、傷ついた心にもまた時がいるのでしょう。

 話がいささか横道にそれましたが、同書には、いわゆる予知夢とか、科学ではまだ解明しきれていない特殊な夢についても言及している章があります。「心霊的な夢」と言うタイトルになっていますが、テレパシーとか予知とかのそれです。天使が登場する夢とかも。
 あくまでメインは学術的な内容ですが、博士はそういうものも否定せず、解説の対象にしています。

 ちなみに、「身近な人に起きるできごとを体験する夢」は<身近な人のトラブルや体験を暗示>するケースが多いようです(その点も私の夢は当たっていますね)。

 てなわけで、私の義父に関する夢は、予知夢でもあり、一見無関係に見えた「併映」のスペクタクル巨編の夢が、実は義父の死亡通知の夢と同じく<親や配偶者との死別>を暗示するものであったことが、同書を読んで得心がいきました。

 まだ全部は目を通していないのですが、書店から消える前に、早めにレビューをアップしたくてアップしました(笑
 興味深い一冊です。ではでは。
コメント
この記事へのコメント
夢無き生活
もう10年くらいよるねて夢みたなーって朝起きることがほとんどありません。

そんなですから夢分析のしようもなくて。

「夢を見るのはいい。」

その代償をはらうことを恐れていたりして(冗笑)

ええっ!夢見るのはおかね要らないの?

τ(@と@)丁

現実で見る夢におかねをはらいすぎているので、よる見るゆめにはらう分が足りないのかと。

見させられる夢見ちゃう夢自ら進んで見る夢。十人十夢。十把一絡げ。退席。幕。
2009/01/22(木) 00:33:09 | URL | やすやす #-[ 編集]
見ない方は見ないようで
>やすやすさま
 友人でも、見ても平凡な夢しか見ないんでつまんないという方おいでです。
 私は商売柄妄想力が強いのもあるんでしょうが、かなりぶっとんだものも見ます(それも高解像度で。顔を近づけると一ミリ以下のパウダーまでくっきり見えるような明瞭な夢。しかも自分が夢の中にいると自覚して)
 見た夢でおもろいものは、すぐ枕もとの日記にメモします。
2009/01/22(木) 01:57:12 | URL | 山本貴嗣 #pmWGJPUI[ 編集]
コンマ数ミクロンの世界を・・
>一ミリ以下のパウダーまで
おまけに高解像度。さすが山本先生。
パノラマだったり歪んだ世界だったり反転したり。イマジネーション全開にちがいない。

私も顕微鏡でコンマ数ミクロンの世界を現実の世界で見ています。臨床検査レベルのやつですが、写真撮影をするために明るいレンズ欲しいってことで買い増した対物40倍と100倍で軽く十万円越えでした。やっぱり現実の方にお金かけすぎです。
もっと言えばオプションの蛍光装置欲しい。ただ準備と使いこなす実力はたぶんまだないのです。余裕も。

夢も道具も一線を越えないと見えてこない世界があるってことで。夢ですね~。
2009/01/23(金) 00:40:59 | URL | やすやす #-[ 編集]
Re: コンマ数ミクロンの世界を・・
>やすやすさま
 おそれいります。
 お姫様抱っこでつまを抱えて空飛んだりやりたい放題です私の夢。
 今朝はなんだか有名芸能人に足払いくわせて後頭部打った芸能人(誰だったかなー、谷啓さんか加○茶さんか、なんかそのへんの人。いずれもなんの恨みもないんですが)が目が点になってました。ケンカの夢なんて久しく見てないんですがなんでそんな夢みたんだろう???そもそもケンカでもなかったような。意味不明です。

> 夢も道具も一線を越えないと見えてこない世界があるってことで。夢ですね~。

 うーむ。確かにそういうものもありますねー;
2009/01/23(金) 01:27:03 | URL | 山本貴嗣 #-[ 編集]
コメントを投稿する

管理者にだけ表示を許可する
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.