あつじ屋日記
まんが家・山本貴嗣(やまもとあつじ)の日記です。 作品から日々思うことまで色々書いてます。
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人生の虚実
虚実1
虚実2
「幹」と「枝葉」と言い換えてもいいかもですが
 私がものごとを見る際に、弁別の基準にしていることの一つがそれです。
 その問題はことの根幹に関わる重要なものか
 シロでも赤でもどうでもいい、枝葉末節のことか

 画像は拙著『紅壁虎(ホンピーフー)』の一場面ですが
 この掌で顔面を攻撃すると見せて、肘打ちを正中心に叩き込む技は
 昔、武術の取材で実際に体で味わって悶絶し、一生忘れられない思い出です。
 同じく拙著『セイバーキャッツ』でも、同様の技を主人公に使用させました(と言うより、この『紅壁虎』の方が、その変形バージョンです)。
 
 この場合、攻撃された人間は、迫ってくる掌のアップで視界のほとんどがさえぎられてしまいます。
 反射的に恐れてのけぞれば、突き出たボディがかっこうの「獲物」として攻撃側の肘の前に突き出されます。
 掌はただの目くらまし、「虚」であって、実際の攻撃、「実」は、その下にある肘なのですが

 人は人生において、しばしばこの肘ではなく掌にばかり意識を集中させて、大事なものを見落とします。
 私もいっぱい見落としてきました。これからもまた見落とすでしょう。

 気晴らしの無駄話には、「虚」や「枝葉」もいいですが
 真に問題とすべきこと、悩み解決を模索すべきことは、「実」でなければ意味がありません。
 しかし、世界を見ていると、しばしば人は「掌」にばかり意識を集中し
 その指の形はどうであったか、爪はどんなふうだったか、手首の角度は、素手だったか何か持っていたか、持っていたのはナイフだったかスプーンだったか、などなど
 どうでもいいことを延々と語り合っています。
 中には死ぬまで、そのどうでもいい問題しか意識に上らない人さえいます。

 人生で真に重要なことなどほとんどなく、あとはどうでもいいことです。
 とことんつきつめてしまえば、重要なことなど何もないとさえ言えます(私はとてもそんな境地には遠く及びませんが)。

 こんなことを私が書くと、人生の「枝葉」の代表格と言ってもいい、あってもなくてもいい「マンガ」などというものを生業にしている者がなんだと思われる方もおいででしょうが
 枝葉は枝葉の自覚を持って、幹に貢献できればいい。
 天空を馳せる飛行機が、しばし滑走する間、その脚を支えてある大地は、あとに打ち捨てていかれてもそれはそれが役目でしょう。

 自分が今「幹」を語っているのか「枝葉」を語っているのか
 いったい何と取り組んでいるのか
 忘れないようにしたいと思うものです。 
コメント
この記事へのコメント
中国武術をやる上でよく陥りやすいことなのですが・・・

「筋トレ不要」という言葉を鵜呑みにして、身体強化をおろそかにする方がいます。
特に日本人に多いのですが。

ここでいう「筋トレ不要」というのは、いわゆるボディビル的な個々の筋肉の肥大に終始する方法のことでして。
格闘技術である以上、筋トレは必要なのですね。
そのあたりの誤解を解かずに武術をやると、非常に悲惨なハメに陥ります。
運動好きな一般人よりも体力のない武術修行者。
これは問題ですね。
こういったものも、物事の本質をとらえていないケースだと思います。

僕のサイトでそのあたりに言及していきますので、もしよろしければ御覧になっていただけると嬉しいです。

http://tbfl.web.fc2.com/artstraining.html
2008/12/23(火) 14:25:06 | URL | 南の人 #-[ 編集]
おおっ
>南の人さま
 貴重な情報ありがとうございます。
 おもしろ(「興味深い」という意味です、「おかしい」ではないので誤解なさいませんよう。日本語はどっちも「おもしろい」なので、時々誤解を招いて相手のご気分を損ねる場合があって怖いです)そうなメニューですね♪
 仕事の合間にじっくり拝見いたします。
 蛇足ですがお顔立ちといいスタイルといいなかなかナイスな♪

 武術に筋トレはいらない<そうなんですよ、勘違いしてる方が時々おいでなようですが、文弱の徒の漫画家ですら体力なき者は去れと手塚御大もおっしゃってたくらいのもので
 まして武術を志す人が、まともに走ることも腕立て伏せもできないようで、何が殺敵護身かと。
 武器をかまえてたら疲れてかまえてられないとか。
 日本の古武術なども、現代的な筋トレメニューがないものが多いですが、それは暗黙の了解で最低限のスタートラインが現代の軟弱な人間とはレベルの違うところにあっただけで
 そこを勘違いして、まともに運動もできない人が、苦労もせずに習得できると思ったら大間違いですね。
 あまりにそういう人が増えてきて、仕方なく腕立てからさせるようにした道場の話も聞きました。 
2008/12/24(水) 06:11:32 | URL | 山本貴嗣 #pmWGJPUI[ 編集]
恐縮です
>最低限のスタートラインが現代の軟弱な人間とはレベルの違うところにあっただけ

さすがのご慧眼ですね。

当サイトにご興味いただいてありがとうございますm(_ _)m
何か疑問等ありましたら(武術以外でも)いつでもおっしゃっていたければ、僕のわかる範囲でお答えさせていただきます。
メールいただければ、できるだけ迅速に対応いたします。
尊敬する山本先生の創作活動にほんの一端でもご協力できればと考えておりますので。
2008/12/24(水) 09:39:17 | URL | 南の人 #-[ 編集]
おそれいります
>南の人さま
 何かそっち方面でわからないことがありましたら、遠慮なくうかがわさせていただきます。
 では、今年の仕事納めに向かって今夜も修羅場りますー!
 ありがとうございました。
2008/12/25(木) 19:26:04 | URL | 山本貴嗣 #pmWGJPUI[ 編集]
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