あつじ屋日記
まんが家・山本貴嗣(やまもとあつじ)の日記です。 作品から日々思うことまで色々書いてます。
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漫画家「も」つらいよ(笑
 漫画家「は」つらいよ ではなくて
 漫画家「も」つらいよ  です(笑

 どんな商売でも気楽な部分、言い換えれば他人からうらやましがられる部分と、人知れずしんどい部分がある(均等にあるわけではけしてないですが)ものだと思います。
 私どもの商売も、部外者の方には知れないさまざまなことがあって
 時には「気楽に金儲けしやがって」みたいな見方をされることもありますが、確かにこれまでの人生で
 「あんな作品であんなに儲かっていいなあ」
 と思った作品や作家さんもおいででなかったとは申しませんが(笑)、楽屋裏に回って、何から何まで
 「お気楽に金儲け」できてる作家さんというのは私は見たことがありません。
 むしろ
 「あんなに儲かってうらやましいけど、あんなに大変なんだったらオレはカンベン」
 みたいなケースが多いような;

 とはいえ、自分としては曲がりなりにも好きな漫画でゴハンを食べられるんで、感謝してもしたりない日々です(お客様にも関係者の方々にも、有形無形の導きにも)。

 よく業界の「楽屋裏のエピソード」が漫画やエッセイの形で、一般に公表されますが
 所詮は「エンターテインメント」として加工されているもので、本当にシビアな部分はまず十中八九、一般の方の目に触れることはありません。
 それはテレビ放映される格闘技と実際の殺し合いくらい違いがあるかも知れません。
 おそらく、世間の多くの職種がそうだと思います。ある意味で、漫画家などはまだ作品として発表できるだけ、恵まれていると言うべきでしょう。語りたくても語る場が無いご商売の方が大半ではないでしょうか。

 さて、
 そんな辛さを先日、偉大な先達が、一言で語ってくださり、私は大笑いいたしました。
 2008年10月24日の
 「たけしの誰でもピカソ」(テレビ朝日)にゲスト出演された、水木しげる先生。
 うかつにも録画しそこねたため、正確な記録はなく、あくまで記憶を頼りにこの記事を書いてますが
 水木先生いわく

 戦争で死んだ連中はいっぱい見てきたけれど

 「戦争よりひどかったな 漫画界の方が」

 仕事しながらテレビ画面は見れないので、耳で聞いていた私でしたが
 思わず大笑いしてしまいました♪

 死ぬ気になればなんでもできる、は大嘘で、死ぬより苦しいことが世の中にはあります。
 たとえ冗談半分としても、あの戦争で実際に戦って片腕を無くされ、戦友の死を数え切れないほど見てこられたた水木先生が
 「戦争よりひどかったな」
 と言われるのは、それなりによほどの体験をしてこられたのでしょう。
 よくぞ言ってくださいました。ありがとうございます先生。
 こんなこと言えるのは、おそらく業界で水木先生だけかも知れません。

 ますますファンになってしまいました♪(笑
コメント
この記事へのコメント
σ(^_^)も「誰でもピカソ」を見ておりました。
水木先生、何気ないような感じでおっしゃられていたような気がしましたが
並々ならないご苦労があったからこそ言えることですね。

旧友がマンガ業界でメシを食っているのですが
帰郷するたびに聞かされる(ほとんど無理にしゃべらせているような気がしていますが)
業界の裏話にいちいち感心するやら幻滅させられる部分があるやら....。
若気の至りで「文章書いて身を立てたい」なんてことを思ったこともありましたが
この旧友の「そんなことお前みたいなヤツには無理!」の一言であきらめてしまったのですが
その時はほんの少し憤慨もしましたが、今となってはありがたい一言でした。
2008/10/26(日) 21:06:00 | URL | 灰塵KSR #tBcaFU8Y[ 編集]
あははw
水木さんに言われちゃどーしようもないですねw

そういえば、楽屋裏を描く(?)マンガで思い当たったのが最近ジャンプで連載されている「バクマン」ですねー
週刊誌の王道であるジャンプで連載されている作品ですから、もちろん「本当にシビアな部分」というのは省かれるか簡略化されるかするのでしょうけどジャンプ漫画としては面白いので割と楽しめて読めてる気がします。

お気が向かれたらコンビニでパラパラと立ち読みでもしてみたら如何でしょうか?w
山本さんの感想も少し聞いてみたいです。
2008/10/27(月) 07:18:30 | URL | choker #-[ 編集]
水木先生、TV等に出るときは、いつも右手を隠していらっしゃるんですよね。

南方戦線で右手首を無くして、左手だけで描いてこられたそうで。そういえば「鬼太郎」のシリーズで、手首が飛んでゆくのがあったけど、それがヒントだったのかも?

古い作品では、常に生活に困窮している様が描かれていましたが、今になって思えばリアルな現実だったんでしょうねえ。

昔、ダンさんの名作で「漫画家残酷物語」という漫画がありましたが「現実は漫画よりも奇なり」なんでしょうね。
2008/10/27(月) 14:58:26 | URL | ぬうぼマン #x9c5GV3o[ 編集]
皆様こんにちは♪
>灰塵KSRさま
 ご覧になりましたか。
 なんでも向き不向きがありますよね。
 才能と言うのはたぶん、普通の人が耐えられないことをあまり苦痛と思わずこなしていく天賦の才のことなのでしょう;

>chokerさま
 おおっ、そんなマンガが連載されてるのですね。今度見かけたら読んで見ます。
 情報ありがとうございました!

>ぬうぼマンさま
 おっしゃるとおりだと思います。
 まんま描いたら「ネタ」だと一笑に付されるハナシがいっぱいではないかと♪
2008/10/27(月) 16:44:14 | URL | 貴嗣 #pmWGJPUI[ 編集]
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