あつじ屋日記
まんが家・山本貴嗣(やまもとあつじ)の日記です。 作品から日々思うことまで色々書いてます。
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ゲテモノと本物
 ご存知の方もおいででしょうが、若いころ異端の画家と言われた片岡球子画伯が1月16日急性心不全で亡くなりました。103歳でした。
 なんと言うかかなりユニークな画風の方で
 いわゆるきちんとしたデッサンとか写実・・という一般の方が思われる「うまい絵」を描く方ではなく
 晩年の代表作の肖像画などを見ても、今風に言うなら「ヘタウマ」みたいな味のある方でしたが(けしてバカにしているのではありません、あしからず)
 
 1月22日の読売新聞に載った記事を読んで「おお」と膝を打った下りがあったので転載します。

「もともと花嫁修業の一つとして、東京で日本画を学ぶことを許された。悩んだ末に本格的に絵の道に進むことを決意したが、展覧会では落選続き。「落選の神様」というあだ名をつけられた。ゲテモノの絵を描くとまで言われたが、小林古径から「ゲテモノと本物は紙一重です。あなたは、そのゲテモノを捨ててはいけない」と励まされた」

 すごいこと言うなあ小林古径(笑)。

「この言葉を支えに批判をはね返した。自身、不遇時代を振り返って「片岡さんが歩いたところを通ると、絵が下手になると言われ、みなが右を歩いたけど、私は左を歩いた」。強烈な気迫で個性を鍛え抜き、新たな日本画のあり方を切り開いた」

 そうで、誰にもできることではないですが、もおやり通したもん勝ちみたいな、爽快さを感じます。
 90歳過ぎても一日10時間以上執筆に費やしていたそうで、最後までやる気満々で生き抜かれたようです。
 こういう人の話を聞くと、自分も中年半ばでヘタレてられません。

 しかし小林古径の励ましは名言です♪
コメント
この記事へのコメント
個性的とは
くまくまでございます。 う~ん、ゲテモノと本物の差って.....無いんじゃないでしょうかね?その本質を見抜いていた方が凄い。 クリムトの絵とかムンクの絵、ピカソの絵、はたまた初期のダリの絵なんかも(いや、ダリはずっとか?)ゲテモノと言えるのか?以前流行した「スーパーリアリスム」なんかもゲテモノ?でも、良い物は良いし、光るものは光る!で、私は何故先生の漫画に魅かれているんだろうか?キャラ?ストーリー?う~ん?とにかくすべて楽しいからかも?理屈抜きに「感性」で面白いんですよ、文章も含めて(笑)
2008/02/04(月) 21:39:05 | URL | くまくま #eI0qnTzk[ 編集]
美術に関しては
>くまくまさま
 美術系はとりわけ主観が大きく左右しますから、数学や物理学のような絶対的な基準ラインはないですね。
 それでも言語化不可能なある種のラインがないとも言えないんですが;
 拙著をご愛読いただきありがとうございます。
 まったく、なんで私の本をお読みくださるお客様がいらっしゃるのか
 これまた突き詰めていくと言語化不可能ですね。感性が通じ合うということなのでしょうか、たぶん;
2008/02/05(火) 09:53:45 | URL | 貴嗣 #pmWGJPUI[ 編集]
落選の神様
>展覧会では落選続き。
>「落選の神様」というあだ名をつけられた。

どなたがおつけになったか存じませんが「落選の神様」いいですね。当落成否を超えた視点といいますか、落選を続ける方と名づける方との「場」というものを感じますし、それは実存的な問題、生きる意味というものに強く関わっているような気がいたします。
2008/02/15(金) 22:20:46 | URL | あるカルマ・ヨギ #-[ 編集]
合否など所詮いっときの・・・
>あるカルマ・ヨギさま
 そうですね。
 生前大層認められて今は忘れ去られた人もいますし、真逆のゴッホみたいな人もいます。
 どっちが上とか下ではなくて
 自分の悔いのない道を行くのがいいと思います。
 でも金もあって困らないから、私はも少し欲しいですが(笑
2008/02/15(金) 23:42:13 | URL | 貴嗣 #pmWGJPUI[ 編集]
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