あつじ屋日記
まんが家・山本貴嗣(やまもとあつじ)の日記です。 作品から日々思うことまで色々書いてます。
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コンプレックス
 コンプレックスという言葉自体にネガティブな意味はないのですが、一般には劣等感と同義語で使われることが多いです。

 先日、漫画家のお友達とお話してたら、自分は絵が苦手なので、ずっとコンプレックスを持っていた。
 でも、先ごろ、飛騨高山の円空仏を見て
 細かいデッサンに拘泥しなくとも、人に訴えかけるものはできるということを教わり、思うところがあったと。

 いやまったく。
 私も幼い頃からデッサンはコンプレックスで
 デビューしたころは、神経症的に裏から見ては直し(デッサンの狂いは裏から見てチェックというのが、定石のひとつですから)表で直し、また裏から直し、また表から直し

 ずいぶんぐるぐるしたものでした。
 その甲斐があったかなかったか
 確かに多少はましになりましたが
 所詮才能の限界と言うか
 今でも狂ってるとこは狂ってます。

 昔ほど頻繁には見なくなりましたが
 たまに確認して目に余るところは直します。
 つい先日も、『紅壁虎』下絵しながら裏から見て
 「まだこんな絵描いてんのかてめー」とか言いながら直したコマがありました。

 しかしもう昔のようにはこだわらなくなりました。
 そこまでこだわらなくとも、以前ほど狂ったデッサンは描かなくなったというのもありますが、それより何より
 デッサンよりもっと大事なことに力を傾けた方がいいからです。
 私は自分のデッサンにけして満足はしませんし、一生涯向上心は捨てないつもりですが、マンガの肝は、読んだ人が楽しめるか、浮世のウサを忘れられるか、前向きに進める心持ちのお手伝いができるかといったことであり、
 デッサンはそのずっと後。
 少なくとも、読む人がしらけて夢が覚めるような狂いがない限りが、後回しにすべきものだからです。

 ずいぶん前からそう思ってデッサンは二の次三の次にしていますが
 コンプレックスが消滅したかと言うとまた別の話で
 こればっかりは、なかなか消えませんね。

 でも私の最大のコンプレックスはデッサンよりも何よりも、おもしろいマンガ、血沸き肉踊る物語を産むということの方です。
 読者の方々にしても
 今よりデッサン力が50%アップした山本マンガ
 今よりおもしろさが50%アップした山本マンガ
 どっちが読みたいかと言えば、まず100人が100人後者でしょう。(まあ50%と言うのは仮の数値で、50と言わず100でも200でも)。

 死ぬまで品質向上は目指していきたいと思います。




 ダビンチとかミケランジェロとかいった天才は
 どんな悩みを持ってたんでしょうねえ・・・
コメント
この記事へのコメント
楽しいので(^。^)
くまくまでございます。常に前を見て進まれるお姿には敬服いたします。デッサン、そういえば数々の先生の作品拝見させて頂いておりますがまったく気にせず楽しませて頂いておりました。m(_ _)mストーリー、魅力的且つ妖しい(怪しい?)登場人物の方々、すべてが私を惹きつけて止まない方々でしたから。単に私が鈍いだけかも知れませんが(笑)これからも沢山の作品を楽しみに致しております。
2007/03/24(土) 20:15:32 | URL | くまくま #eI0qnTzk[ 編集]
恐縮です
>くまくまさま
 いやもう、昔の作品を見ると、戦後の教科書じゃないですが墨で塗りつぶしたいコマがいっぱい・・・(爆
 これからも、少しでもお楽しみいただけるよう精進いたしますー;
2007/03/24(土) 21:07:36 | URL | 貴嗣 #pmWGJPUI[ 編集]
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