あつじ屋日記
まんが家・山本貴嗣(やまもとあつじ)の日記です。 作品から日々思うことまで色々書いてます。
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「茶巾しぼり」とファン・ヒューリック
茶巾しぼり

 あつじ屋BBSのお客様の神無月仏滅さまからこんなコメントをいただきまして、ご本人のお許しを得て転載させていただきます。

「オランダの駐日大使でファン・ヒューリックという語学の天才がおります。公務の合間に推理小説を書いていました。
 則天武后の時代に活躍した狄仁傑(ディー・レンチェ)判事を主人公にしたシリーズです。
 何とイラストまでも自分で描いているんですよ(あまりうまくないのが救いです)。
 その長編『柳園の壺』を読んでいたら、こういうくだりにぶつかりました。

『仕込みの袖なら知っている。裏稼業の女どもはときとして両袖の先に大ぶりの卵大の鉄球を一つずつ仕込んでいる。匕首などの刃物を庶民が持ち歩いたり人に向けたりするのはご法度で、鞭打ちの罰をくらうからだ。だからそういう女たちは仕込み袖用に独特の技を磨いてきた。袖の上部分をてのひらに集めて握り、それぞれの袖に強力な棍を入れる。長い修行のすえ、敵の急所すべてに正確無比な一撃をくりだせる。男の腕や肩を折り、ひどい場合はこめかみや首を折って死なせるときもある』(和爾桃子 訳)

 これって『Mr.ボーイ』にえがかれた茶巾しぼりと同系列の技じゃないですか!
 袖の下って言葉があるように、あそこに金を入れるのは昔の知恵。
 だったら「これを武器にできないか」と考えるのは自然な発想ですかね」


 これは貴重な情報です。
 拙著『Mr.ボーイ』の「茶巾しぼり」は、私が日本の武術家さんからお聞きして描いた技ですが
 ファン・ヒューリックがどういう経路でこの技を知ったのか、知りたいところです。
 てきじんけつ(狄仁傑)と言えば有名ですが、こういう西洋の人が、彼を主人公にした小説を書いていたとは。
 彼が日本滞在中に知った日本の技を中国に置き換えて書いたのか、それとも中国にも同様の技があって、それを書いたのか、現段階ではわかりませんが(もっとも、中国ならそれくらい、はるか太古からありそうな技です。何も入れなくても長い袖を攻撃に利用する拳法もありますし)。
 今度知り合いの武術家の方にもきいてみたいと思います。

「『柳園の壺』は、巻末にヒューリック、乱歩、魚坂善雄らの対談が採録されている点、嬉しい一冊です」
「ディー判事シリーズは現在ハヤカワから出ていますが、以前は三省堂が出していました」

 だそうです。
 画像は『Mr.ボーイ』一巻(双葉社・2001年12月12日第一刷)より。
 ありがとうございました。
コメント
この記事へのコメント
面白いと思います!頑張ってください!!!(*^_^*)
2007/11/17(土) 13:41:30 | URL | アクセサリー #-[ 編集]
はじめまして。
香港の南派少林蔡莫派拳術を学んでいる者です。

山本先生の大ファンです。
ネットをうろうろしていたら辿り着きました。
猟姫ナジャが大好きです。

>何も入れなくても長い袖を攻撃に利用する拳法もありますし

孫濱拳(ソンピンケン)のことですね。
それに限らず、中国北方は長い袖の服が主流なので、それを生かした技法は多々あると聞いたことがります。

これからもお仕事頑張ってください。
応援しております!
2008/11/05(水) 13:13:02 | URL | 南の人 #-[ 編集]
うわあ
>南の人さま
 なんと、南派少林の方ですか。
 ようこそおいでくださいました。光栄です。
 孫濱拳(ソンピンケン)のことですね<ご明察です!知り合いの老師にじかに見せていただいたことがあります。
 ナジャは私も思いで深い作品です。
 これからもどうかよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
 
2008/11/06(木) 03:48:15 | URL | 貴嗣 #pmWGJPUI[ 編集]
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