あつじ屋日記
まんが家・山本貴嗣(やまもとあつじ)の日記です。 作品から日々思うことまで色々書いてます。
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『火星のプリンセス』岩崎書店版
『火星のプリンセス』表紙決定稿

『火星のプリンセス』表紙修正前

『火星のプリンセス』裏表紙(表4)

 一昨日は久々に少しだけ私のホームページ「あつじ屋」の更新と整理をしてました。
 昔の記事で、mixiやFC2ブログに転載できそうなものは、ちょこちょこ転載してもいいかな、などと思いまして

 で、今日は『火星のプリンセス』

 有名なエドガー・ライス・バローズのSF小説で、中学のころ大ファンだった私は、創元推理文庫で全巻を何度も愛読したものです。
 それが30年以上の時を経て、2003年に岩崎書店の依頼で、ジュブナイル版のカバーと挿絵を担当することになろうとは、当時夢にも思いませんでした。もし私がタイムマシンに乗って中学時代の私に会いに言って告げても、バックtoザ・フューチャーのレーガン大統領の話並みに、一笑に付されたと思います(笑

 岩崎書店は昔から有名なSFやファンタジーのジュブナイルを出している老舗で、私も幼少時ずいぶんお世話になりました。
 そういうわけで二重に思い入れのある仕事になりました。

 最初の画像が、市販されたものの表紙の原画。
 真ん中が修正前。
 下が裏表紙(表4)です。

 見てのとおり、決定稿の方が、ヒロイン、火星のプリンセス、デジャー・ソリスの露出度が少なくなっております。これはやはり児童向けということで、一稿目にはクレームがつき、こういう修正になったのですが
 この当時は私、作画に今のようなCG作業を導入しておらず、手描きアナログだったもので、ナマ原稿に手を入れ、もはや最初のバージョンは、このようなスキャンデータとしてしか存在しません。

 以下、いささか詳細を「あつじ屋」の該当ページから転載します。


『火星のプリンセス』
 岩崎書店の「冒険ファンタジー名作選」
 エドガー・R・バローズ=作/亀山龍樹=訳
(2003年10月15日 第一刷発行)

 このプリンセスの出で立ちは岩崎書店版の本文の描写に従ったものです。
「かわいい少女だった。むらさきいろの、きぬのようなころもを身にまとい、なみうっている黒く長いかみの上に、黄金のかんむりをつけていた。はだはすきとおるようなピンク色をしていた」

 これは創元版(厚木 淳=訳)の原典とは大きく異なるもので、原典は以下のとおり

「彼女の顔は面長で、えもいわれぬほど美しく、目鼻だちは一つ一つが彫りが深くて繊細で、つぶらな瞳は輝いている。波打つ漆黒の髪をふんわりと一つにまとめて、風変わりだがよく似合う髪形に結い上げている。肌は赤みがかった銅色で、紅潮した頬と形のよいルビー色の唇が肌の色と対照して輝き、あやしい効果を見せている。
 彼女はそばにいる緑色人と同様、衣装を身につけていなかった。事実見事な装身具をつけているだけで、あとは裸身だった。その均整の取れた非の打ち所のない肢体は、なまじ衣装をつけていないだけにいっそう美しい」

 まさに匂い立つような描写ですが、このままジュブナイルで映像化するのは確かに無理でしょう(泣
 私は両方の文章を考慮して、原則岩崎書店版にのっとって描きつつ、原典にも可能な限り反しない折衷案を模索したつもりです。

 表4のイラストは、主人公のジョン・カーター(別に火星のERではありません)(笑)と、火星の飛行艇です。
 カーターの銃を、握りを前に右腰に描いたのは
 かつてアメリカ合衆国の騎兵隊が、左腰にサーベルを吊り、右手で抜く関係上、左手で銃を抜けるようこういう携帯方法をとったという故事にちなんだものです(右手で銃を抜くときは、トウィステ・ドローと言って、手首をひねって抜きます)。
 カーターは南軍の騎兵隊大尉という設定でしたから、あながち間違いではないと自負しているのですが・・・


 ちなみに、バローズとりわけ火星シリーズと言えば、かの武部本一郎画伯の名画があまりにも有名で、私ごときが今更何を描くこともないのですが、岩崎書店版は、現代のお子様にも親しんでもらえるよう、現代の漫画家などに広くイラストを依頼するというコンセプトだったため、僭越ながらお受けしたものです。
 あまりにも先達武部画伯が偉大なため、何を描いてもそしりは避けられないのですが、そういういきさつだったとご理解いただけますと幸いです;

追記
 蛇足ですが、昨日(2007年10月29日)アマゾンで見たらまだ扱ってるようでした♪

追記2
 FC2ブログの手引き書を買ったんですが
 画像を直列でなく(スペースのムダだ!)横並びにする方法が、どうもよくわかりませんね。はてさて??;
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