あつじ屋日記
まんが家・山本貴嗣(やまもとあつじ)の日記です。 作品から日々思うことまで色々書いてます。
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人の嫌悪がわからない人
『あなたはなぜ「嫌悪感」をいだくのか』 レイチェル・ハーツ/綾部早穂・監修/安納令奈・訳/原書房 から:

 2002年ノースカロライナの州刑務所と北イリノイの刑務所で男性囚人が、精神科医によってサイコパス、非サイコパスに分けられ30人ずつの男女の喜び、悲しみ、怒り、恐れ、驚き、嫌悪の表情を見せるテストが行われた。

 「喜びと驚きの顔はサイコパスと非サイコパスのどちらのグループでも最も高い比率で認識された。
 いずれもが98%、驚きについては90%が認識した。その一方で、恐れはあまり読みとられず、正しく認識されたのはどちらのグループでもたった45%に過ぎなかった」

 「さらにサイコパスについては
 嫌悪感を示す顔は、恐れの顔と同じくらい見分けられず、正しく読みとれたのは全体の48%に過ぎない」
 「これ以上ないほど冷酷で社会性が欠落しているサイコパスの特徴が嫌悪感を理解できないことであるのなら、嫌悪感を理解し読みとる能力は、社会で助け合って生きられる人間である証ということになる

 同書には、もう一つ興味深い事実が書かれている。
 「ハンチントン舞踏病、またの名をハンチントン病(HD)と呼ばれる」「大脳基底核と呼ばれる脳の部位にある神経細胞が萎縮し変性する遺伝性疾患」の患者は「他人の嫌悪感を読みとることができない
 その他の感情は読みとれるのに、である。

 この本を読むと、実際に対面する生活からネットの生活まで、しばしば見かける他者の嫌悪に無関心な人々を一くくりには考えられない。
 積極的に人を困らせたいサディストも、無頓着なサイコパスも、また罪なき病気の人もいる。
 ただ医者でもない一般人が、それらに対応するのは無理だと思う。

 ただ「サイコパス」という単語は長い間に一人歩きしてしまい人々の間に勝手なイメージが定着している(そういう私も厳密には理解していない)先日NHKでも一般人の中にあるサイコパス的要素について興味深い番組があった 。
 企業経営者には強いサイコパス気質がある オックスフォード大科学者の調査結果
 私の中にもそういう要素はある。
 要は、それを自覚し、いかに制御し善用するかだと思う。
                   (2015年8月11日のTwitterの私のツイートより、まとめ)

 ちなみに同書は、厳密な学術論文的なものではなく、一般向けに書かれた読み物のようなもので、全体としては「ゆるい」本です(ネットのレビューなどにも指摘があります)。ただ、上記の実験結果は、筆者の手になるものではありませんし、興味深い一つのデータとして、頭の隅に置いておいても悪くないかもと思いました。


コメント
この記事へのコメント
ラジオから
仕事柄ラジオを付けて車を運転するのですが、「テレホン人生相談」という番組をしばしば聴きますがその番組に出るパーソナリティーの人で心理学の教授でもある加藤諦三さんという方が相談の最後に締めくくりの言葉をよく発言しますが、そのなかで印象に残った言葉「あなたさえ幸せなら私はいいの。愛の仮面をかぶったサディストです。」
2015/08/14(金) 22:58:09 | URL | 桁 喜世二 #-[ 編集]
Re: ラジオから
>桁 喜世二さま
 加藤さんのご本は昔何冊か拝読しました。
 本当に相手の幸せを願って何かをする人と、口ではそう言いながら自分の欲望を満たしたいだけの人と、いますよね。
 あぶないあぶないです~;
2015/08/16(日) 20:24:01 | URL | 山本貴嗣 #-[ 編集]
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