あつじ屋日記
まんが家・山本貴嗣(やまもとあつじ)の日記です。 作品から日々思うことまで色々書いてます。
200912<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201002
動物にごはんを「あげる」
 以前新聞記事だかテレビだかで、犬猫やペットに、ごはん(食事)を「あげる」というのは、間違った日本語である。そういう丁寧な表現は人間が下位の動物に使う表現ではないという識者の話を見たことがあります。
 そのことの是非を突き詰めるつもりはありません。
 ただ私は、その説を、いや、その「考え方」を採りません。

 学校の現代国語の問題の回答とかなら、そういう原則にのっとって答えておいたほうが正解なのでしょう。

 動物が人間より下位というのは、生物の進化とか、世の中のポジションという意味では「あり」ですが
 少し視点を変えてみれば、どちらが上か下かなどというのは意味がないし、どうでもいいことです。
 「動物は神が人間のために作りたもうた存在である」という宗教を信じておられる方には、その線引きは明確なことかもしれませんが、私はそういう信念体系は持っておりません。
 東洋には輪廻転生思想があり(本当は西洋にもありましたが、キリスト教やイスラム教等によってほぼ駆逐されてしまいました。肯定する者は異端として弾圧排除された歴史があります)小さな虫であっても、実は誰かの生まれ変わりか、あるいは「明日のわが身」かもという視点がありました。
 そこには西欧のような明確な、上下関係や線引きが、なされていないように思います。
 だからと言って、日本人が動物にみな慈悲深かったなどと言うことはなく、近年まで(一部にはいまだに)「犬畜生」という言葉に代表されるように、ゴミのように扱われる動物がいます。

 ただ、愛犬家、愛猫家、その他生き物好きの方にとっては、動物といえど家族であり、「えさをやる」と言うよりは「ごはんをあげる」と言うのが、より正確にその気持ちを表していると言えます。
 その方が、「えさ」を「与える」動物を、心の中で自分より劣った存在として見ておいでならば、もしかしたら「あげる」は不適当な表現かもしれませんが、友人や家族と見なしておいでなら、何も間違ってはいません。
 それをあえて「あげると言ってはいけない」などと言うのは大きなお世話であり、人の思想信条、ひいては信仰の自由の侵害です。

 動物とは少し異なる話ですが、聖書にあるイエスの言葉に
「わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである」
 というのがあります。
 マザーテレサが、行き倒れた貧しい人々のお世話をしながら、その人々の中にイエスを見ていたのは、その言葉どおりのことです。
 そこに、上位の者が下位の者を世話してやっているのだ、というような差別感や優越感はありません。
 そういう見下げた視点の「慈善」は、見捨てるよりはマシでしょうが、貧しい一種の「偽善」です。

 人は、誰か困っている人を助けたいと思っても、自分の問題で手一杯なことが少なくありません。自分も病気だったり貧しかったり、仕事や勉強に追われていたり、思うようにはいきません。
 面倒くさいこともあれば、勇気がないこともあります。
 そういうもろもろの障壁を越えて、誰かのお役に立てる機会が得られるというのは、人生で限られたものであり、大変光栄な、ありがたいことではないでしょうか。
 それを「自分は~~してやっているのだ」などと思うのは、せっかくの機会と行いをわざわざ自分でおとしめる、大変もったいないことだと思います。

 私はたとえ相手が動物であっても「世話してやっているのだ」などとは思いません。
 たとえば通い猫のしろさんに、寒い晩寝床を用意するのは、私が「お世話させていただいている」のであり、何か見下すべき下位の存在に「施しを与え」ているのではないつもりです。
 物理的には地球上の食物連鎖の頂点に立つ人類の一人として、命ある他の存在を食べますが、だからと言ってサメがイワシより「えらい」わけではないのと同様、私がすばらしい存在であるわけではありません。
 あまりあり得ない選択ですが考えられるケースとして「猫を助けるか、人を助けるか、二つに一つ」というような選択を迫られることがあれば、人間の法を遵守して人を取るつもりではありますが、「自分と猫とどちらか一つ」と言われると、即答しかねるところがあります(その場の状況次第かも)(笑)。

 とまあ、いささかとりとめのない話になりましたが
 
 文法的に間違いと言う方は言われて別にかまいません。議論する気はありません。
 厳密には間違いだったとしても、文学的には「あり」でしょう(雨降りを詩的に表現して「空が泣いている」とか言うのを、頭がおかしいなどと言わないように)。
 そういうわけで私はこれからも、動物にごはんを「あげて」いきます。


追記
 そういえば、私の友人の親戚の女性で、開腹手術から退院して帰宅途中、川で溺れてる猫を見つけて思わず飛び込んで助けた方がいらっしゃいます。確か即再入院されたと思いますが
 なかなかできないことで、尊敬いたします♪
『超かんたん星空シミュレータで遊ぼう』
『超かんたん星空シミュレータで遊ぼう』
『超かんたん星空シミュレータで遊ぼう』
 株式会社アストロアーツ発行、株式会社アスキー発売の、CD-ROM付き書籍。
 CD-ROMから星空シミュレータのソフトをパソコンにインストールして、ディスプレイ内のCGプラネタリウムとして使えます。

 数年前、書店でたまたま手にとって買った本ですが、作品資料として、おおいに活用しています。

 たとえば「次の満月までに~~するのだ」といったシチュエーションの場合、そういうタイムアタックが発生したときの月の形から、何日後の何時ごろには地平線からどれくらいの高さにどんな形と角度で月が見えているか、みたいなことを、この本にあるソフトで、それにあった日時の月を選び出し、見るとか。
 ただ発売が2005年で、ウィンドウズは98SEからXPまでの対応です。
 その後のウィンドウズに対応するかは発売元に聞いてみないとわかりません。
 日本各地、世界各地から見た1901~2100年までの200年分の星空を再現。
 東西南北それぞれの空、真上に見上げた全天の空など、切り替えて見られます。
 日食月食の再現もあり。
 いつも使うものではないですが、たまに必要になっては重宝している一冊です。

追記
 これからの月や天体の運行もわかるため、それらの資料写真撮影の計画を立てるにも便利です。
青空
青空

 皆様おひさしぶりです。
 先週『戦闘女神アヌンガ』最終回(2月2日配信予定)を完成させてから、集英社の第四編集部(いわゆる青年誌系編集部)の新年会とか、某ゲームのキャラ&メカデザインの最後のカットとか、デジタルコミック関連の会合とか色々忙しく、全然更新できませんでした。
 やっと一段落して少し呆けてます。

 何かお目汚しにいいカットでもないかとアルバムを見ていたら、この一枚が見つかりました。
 昨年11月に写したもので
 富士山さえも脇にどけて、ぽかっと広がった青空が、なんだか、日ごろの気がかりとか細々したことをうっちゃって心を空にしてくれるような感じで(笑
 たまにはこういうのもいいかなーと思いました。

 またぼちぼち更新します。
 きょうも良き日を♪
タバコの精?(笑)
 我が家の玄関に見知らぬ男性客がやって来ました。
 若くもなく老けてもなく、まあ中年でしょうか。タバコを吸っていたように思います。玄関先で話し込み、一本吸い終わった客は私に、タバコあったらもらえませんか、と言いました。
 私は吸わない人ですが、マンガの作画資料に買ったタバコが何個も資料棚に眠っています。
 引き出しをあけ、その引き出しごと男性の前に持って行き、勧めようとしてよく見ると、なんとタバコは変わり果て

 長いこと放置したため、カビかホコリのような粉がつもり、さわるともろもろになっています。
 いやあ、これは吸えませんね、と男性と私は顔を見合わせ苦笑しました。



 気がついたら夢でした。
 変な夢です。意味不明。

 だいたい愛煙家でもない私が、夢でタバコを見るなんて生まれて初めてと言ってもいいくらいです。

 不思議な夢だなあと思い、そういえばあの資料用の引き出しのタバコはどうなっているだろうと思い出して、何年ぶりかに開けました。

 いやまあなんと、これはまあ。
 引き出しのトレイの中に、タバコの粉、いや劣化した外側とも中身ともつかない破片が散乱し、見たこともないありさまです。
 まず目にはいったのが葉巻。ぽつぽつと虫食いのような穴があき、さわると壊れて中身が出ます。
 普通の紙巻きのタバコも似たような姿で、抜け殻のようにぺしゃんこになったものあり。
 そして中でも驚いたのは、金属ケースに入ったミニ葉巻?
 写真の左端、オランダ製の「PANTRE MIGNON」。ケースはきれいなままですが、開けると中はご覧のとおり。まるでタバコのミイラです。ぼろぼろの残骸。さわるとはしから崩れます。
 長いこと資料でタバコは買ってきましたが、せいぜい黄色くなって巻いた紙がくたびれる程度。こんな姿は初めて見ました。

 夢で見たのとはいささか異なりますが、ある種のプチ正宗もといプチ正夢のようでした。
 
 人類文明が崩壊した未来SFなどで、家捜しをする主人公が、食い物とか書物とかを見つけ手に取ると、粉のように崩れるシーンがありますが、ほとんどあれです。
 記憶違いでなければ、これ買ったのは確か2005年くらい。たった数年で、ここまで劣化するとは。
 映画では何度も目にしたシーンですが、実際に見たのは初めてです。
 どうもシガービートルとかいう虫のせいらしいのですが(葉巻の中、成虫や幼虫は出荷前に殺せるけど卵が眠ってて高温になると孵化して悪さをするとか)荒らした虫たちは影も形もなく、とうにどこかへ飛び去ったようでした。

 友人に話したら、その夢のお客はタバコの精じゃない?と言われました(笑
 それはともかく、引き出しの中の粉は掃除して捨てましたが、ご覧の残骸はこれも一つの資料として、まだそのまま置いています。
 封を切っていないジタンなんか、果たしてどうなっていますやら。
 あとで開いてみようかなあ。 

タバコの抜け殻
Be Smile Project(ビースマイルプロジェクト)追記
 昨日お知らせしましたビースマイルプロジェクトのチャリティオークションの、私の出品時期に関して、スタッフの方からご連絡いただきました。

「山本先生の色紙ですが、第二回オークションにて、出品させて頂きます。
時期がまだはっきりとは確定できないのですが、現段階では今年中に3回のオークションを予定しておりますので、
第二回は春先の5月前後になるかと思います」

 とのことです。

「第一回のオークションにつきましては、
プロジェクトのスタッフが皆この手の作業に関して手探りで始めているため、
どのようなトラブルが起こるか予期できなかったことと、
第二回もオークションのクオリティを落としたくないこと・・・などから、
なるべく若手・ベテランをバランスよく、かつ複数枚ご提供頂いているサポーター様を優先して
出品する形となりました。

幸い、サポーターの皆様のご協力と
関係者各位のご尽力により、メディアへの広告も含め、
非常に順調に準備が進んでおります」

 そうです。
 今後ともどうぞよろしくお願いします。
 ありがとうございました♪
Be Smile Project(ビースマイルプロジェクト)
 「Be Smile Project(ビースマイルプロジェクト)」というボランティア団体があります。
 マンガ家の本そういち先生が代表(副代表は葉月京先生)で、そもそもは虐待を受けた児童などを支援することをテーマに発足したグループです。メンバーは今のところマンガ家メインですが、今後はもっとさまざまな業種の方も取り込んで行かれるのでしょう。
 実は私、山本も昨年、本先生からお誘いをいただき、メンバーの一人となっております(メンバーは「スマイルサポーター」という名で、同会のサイトに一覧があります)。
 メンバーと言いましても、非力な私には何をしてさしあげることもできません。
 ほとんど365日仕事場で原稿と向かい合っている水のみマンガ家で、どこかに出かけて活動するとか、金銭財産等を提供するほどの余力もありません。
 じゃあなにをしてるのかといえば、同グループが支援対象とする子どもさんたちに送る資金を生み出すため、会員が色紙とかグッズを提供し、ネットオークションにかける。その素材を提供するということです。

 先日、本先生の事務所より、その一回目のオークションのお知らせFAXが届きました。
 
ビースマイルチャリティオークションのお知らせ

 漫画家が集まり立ち上げた子ども達の未来を考えるボランティア団体・ビースマイルプロジェクトが、Yahoo!Japan様のご協力によりチャリティオークションを行います。開始は2010年1月24日から3週間!
 詳しくはビースマイルプロジェクト
http://besmile.org/で検索してください

 とのことでした。
 私の色紙は、記憶違いでなければ一回目のオークションには含まれてなかったように思います(ブツは昨年秋にお送りしてあります)。
 あやふやで恐縮ですが、本先生はじめ、活発に動いておられる中心メンバーの方々も、忙しい仕事の合間に手弁当で参加なさっているようで、常時専用の対応スタッフが待機しているわけではなく、質問と回答に時間がかかることもままあります。
 かく言う私も、昨日まで執筆で自主自宅軟禁状態(泣笑)で、原稿が上がってやっとこの記事を打っているような次第です。

 24日のオークションにはまだ間がありますので、もう少し詳しいことを聞いてからアップしようかと思ったのですが、今朝方PCを起動しますと、メンバーの方から

「本日(2010年1月21日)の日本テレビ「NEWS ZERO」内にて、「Be Smile Project」について取り上げて頂けることになりました」

 とのメールが届いていました。
 というわけで、駆け込みアップをいたしました。
 興味をお持ちいただけました方は、ご覧いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いします。



追記
 ちなみに、オークションへ提供する素材はあくまで無償であり、どこかのチャリティ番組のようにチャリティと言いながら私が「出演料」を受け取るような(つまり、なんらかの「分け前」をいただくような)ことはありません。念のため。
デジタルコミックにおける「アメリカの夜」
『戦闘女神アヌンガ』より「擬似夜景」
『戦闘女神アヌンガ』より合成夜空
 映画好きの方はご存知でしょうが「アメリカの夜」という言葉があります。
 大昔、フィルムの感度が悪く夜のシーンを撮るのが困難だったころ、画面の色合いと暗さを調整して夜のように見えるフィルターを使って、昼間撮影することがありました。
 妙にクリアな雲の浮かんだ青っぽい夜の砂漠を行くカウボーイの映画とか、だいたいそうでした(笑)。
 ハリウッドから始まったため「アメリカの夜」と言われるとも聞きます。
 21世紀の今日、フィルム感度も向上してそんな手法は過去の伝説になってしまいましたが、どっこい私はデジタルコミックにおいて、今も活用しています♪
 ご覧の二点のカット、いずれも『戦闘女神アヌンガ』の一場面ですが、一枚目の夜空は「アメリカの夜」。
 曇天の日に撮影した雲を明るさとコントラストを調整、重ねてみました。
 二枚目の怪鳥が飛んでいる夜空は本当の月夜の雲です。
 いずれもただの写真合成ではなく、フォトショップのフィルター(電子のフィルターですね)で加工してあります。
 すごいのは、今日二枚目のような夜の空が、手持ちのデジカメで特別な調整もいらず一般人が気軽に撮影できるようになったということです(もっとも資料撮影として万全を期するには三脚と、できればケーブレリーズやワイヤレスリモコンが必要ですが)。
 デジタルコミックに関しては色々と高度な技術書が出ていますが、こういう地道な手法の積み重ねも、大事なように思います♪
訃報-柴野拓美(小隅黎)先生
 日本SF界の重鎮、柴野拓美先生が亡くなられたそうです。
 同じ町内に住むSF者として、若輩ながらおつきあいいただいていましたが、今年は多忙で年賀状を出しそこね、遅ればせながら寒中見舞いでもと思っていた矢先です。
 そういえば先生からの賀状がありませんでしたから、どこか御具合でもお悪いのかと心配していました。
 2005年のご講演には全国からファンの方々がおいでになり、尻馬に乗っかって私も思わぬ知己を得させていただきました。
 幼いころから数え切れないほどの書籍を通じて、数え切れないほどのお世話になりました。
 ありがとうございます。お疲れ様でした。
 恙無い黄泉路をお祈り申し上げます。


追記
 そういえば、さっき思い出したんですが(思い切りわたくしごとですが)
 柴野先生と初めて町立の図書館でお会いした時、私がイラストを書いた岩崎書店版『火星のプリンセス』が置いてあって、先生が手に取ってくださったのが夢のようです・・・;
 幼少時仰ぎ見ていた方に、そういう形でお目通りいただけるというのは、なにか不思議な気がしました;
 ある意味で、これも先生が日本のSF界に及ぼされた影響、蒔かれた種の一かけらかも知れません。と言うか、私のような者までがこういう形でここに至ったということが、先生の影響力がいかに大きなものであったかの証(あかし)と言えるのかと思います。

 わが町には、駅前にHという、大変良心的なおいしいちっちゃなレストランがありました。
 不況の影響で閉店してしまいましたが、往時には遠く他県からランチを食べにおしかける方までいらっしゃいました。
 外食メニューというと、物理的なハラは膨れても何か飢えが満たされない中途半端な代物が多いのですが、そのマスターはお客の顔色や声から健康状態まで気を使い、出す食事を微調整したりするほどの達人で、疲れた心身が生き返る思いがしたものです。私もアシスタントさんも、よくお世話になりました。
 柴野先生は、ご家族でしばしばおいでになり、特に用のない日でも、そこに行けばお会いできることがありました。
 3~4年前レストランが閉店してからはその機会が失われ、残念に思っていましたが、結局それっきり直にお会いする機会がないままお別れとなりました。

 ものみな過ぎ行くではありますが、
 レストランも先生もない駅前に、寂しい思いがいたします。
逆つらら
2009年1月14日早朝
 2009年1月14日の早朝、表の水道の下を見ると
 なんじゃこれえええ!
 故郷、山口県の秋芳洞などで見かける、地面から天井に向けて伸び上がった鍾乳石にも似た逆つらら。
 おそらく夜間の氷点下の冷え込みで収縮したパッキンのスキマから漏れた水道水が作ったものと思われます。
 この写真だとよくわかりませんが、横のじょうろにもしっかり氷が張っております。
 昨日から南国九州の各所でも積雪が見られるようで、その寒波は、ここ湘南も例外ではないようで
 しかし、この家に越してから二十年以上になりますが、こんなものを見たのは初めてです。
 どうかくれぐれもご自愛ください。
しろさんの贈り物
おやすみしろさん
 先日、我が家から少し離れた場所を自転車で走っていると、どこかで聞きなれた猫の声。
 しろさんです。
 家と家のスキマにでもいて、ご挨拶かな?と思いつつ通過。
 つまとファミレスで食事して、戻る途中また同じ場所で同じ声。
 妙だなさっきと動いてないような??
 でもまあその辺にいるんだろうと思い、そのまま帰宅。
 すると自転車で買い物に出かけたつまが戻ってきて

「しろさん、倉庫に閉じ込められてるみたい」
 えー?

 資材置き場の倉庫から泣き声がするそうで、道に面したシャッターに近づき
「しろー?」
 と妻が声かけると
「にゃおー!」
 と悲痛な叫び声。
 ああ、あのうっかり猫、シャッターが開いてる間に入り込んでうたた寝でもして、そのまま日暮れに閉じ込められたな。
 もう夜の9時前くらいでしたが、電話帳で管理会社を探し、電話。
 お宅の倉庫に野良猫が閉じ込められてずっと鳴いてます、とつまが報告。
 さっそく親切な管理人さんが来てくださるというので、私はシャッターの前でしろさんを励ましながら待ってました。
 果たして、20分くらいしてから懐中電灯を持った女の管理人さんが現れ、シャッターを開けると
 ダッシュで駆け出すしろさん。

 そのまま遁走するかと思いきや、1~2メートル行ったところで立ち止まり、私と管理人さんを振り返ってます。
「こら、ちゃんとお礼言わなきゃだめだよ」
 と声をかけると
 しゃがんだ管理人さんに、つつっと近寄って指先の匂いを嗅いで鼻先でキス。
 そのあと、とっとこ駆け去って行きました。
 
 ううむ、えらいやつ。ちゃんと礼儀をわきまえているな(笑
 夜中にとんだ野暮用で呼び出してしまい、申し訳ないとお礼のお金を渡そうとしたのですが、管理人さんは固辞して帰ってしまわれました。

 だいたい、しろさんは、寝たかったらうちの庭に専用の寝床(通称ホワイトハウス)の箱を置いてあるんですから、そこで寝ればいいのです。
 ちゅーわけで、添付画像はそこで爆睡するしろさんのスナップ。
 なんかでかい頭と手です。


 蛇足ですが、その日はそのことで夕食後時間をとられてしまい、夜中近くまで仕事にかかる時間がずれこんでしまいました。
 さあかかろうと思ったとき、12時近くに電話があって、予定の仕事が急遽延期、執筆の順番を変更。無駄な作業をせずにすみました。
 「本当にあった~~な話」とかである、渋滞で乗り遅れた飛行機や列車が事故を起こし、乗り遅れた自分は助かった、みたいなやつのミニサイズ版です。
 ひょうたんからコマと申しますか、新年早々しろさんの思わぬ贈り物でした♪
 ありがと、しろさん、ありがとう管理人さん。

 そういうわけで日々是好日。きょうも楽しくやってます♪ 
体臭のこと
 mixiのほかの方の発言で昨年「NHKの児玉さんの旅行番組をチラ見してたら“イギリスの遊園地ではジェットコースターでワキガの人は高角度に手を挙げてはいけない”みたいなルールがあって笑った」というのを拝見
 私も笑ってしまいました♪
 残念ながら、その番組は見ていませんが

 それで思い出したのが、以前読んだ、月刊コンバットマガジン誌(株式会社ワールドフォトプレス)の記事です。
 同誌2009年12月号掲載の「戦場と体臭」(高部正樹)。
 筆者は海外で多くの傭兵経験のある方です。
 昔から西洋人の体臭はキツイと言われますが、何日もシャワーも浴びられない戦場生活ではそれが炸裂するそうで

<ちょっと言葉では表せない。蒸れて発酵したと言うレベルでは無かった。“ひねた”と言うか、とにかく表現できない臭いだった>

 ボスニアなどで、そういう体験をつんだ筆者は、アフガンで
 
<パキスタン人やアフガン人から感じる羊肉とスパイスの臭いを凝縮して混ぜたような体臭には、なかなか慣れなかった>

<しかし、そんな中で、ひとつだけ感心したことがある。彼らから、脇の下の臭いをあまり感じなかったことだ。脇の下と言えば、もっとも強烈な臭いを発しやすい部分だ。事実、白人の多くは時に強力な「脇の下爆弾」を所持していて、ボスニア時代にも何度か強烈なダメージを喰らったものだ。
 しかし、その脇の下の臭いを、ムジャヒディンから感じた記憶はほとんどないのだ。それは多分、彼らが宗教上ムダ毛を処理していたからだろう。彼らの脇の下はいつもツルンツルンで、それが細菌の繁殖を抑えて臭いの原因を作らなかったのに違いない>

 アフリカには体毛を処理していて、ヘアヌードという単語自体ありえない(陰毛がない)部族もあるそうですが
 ムジャヒディンもそれに類するとは知りませんでした(イスラムの女性が、ハチミツなどを煉った物体でムダ毛を処理するのは有名ですが)。

 筆者の高部氏は、続いて、ミャンマーのカレン人とともに戦ったときのことに触れ
 ボスニアやアフガンのようなキツイ体臭はないのだけれど、高温多湿のジャングルで何日も行動していると、やはりものすごいことになり

<息もできないくらいの悪臭に包まれた部隊は、風向きによっては数十メートル先から臭い始める>

 映画のように、密かに敵に忍び寄るなどとうていできない状態になるそうです。
 そういえば私は昔、肌寒い季節に新宿伊勢丹の近くを歩いていて、向こうから来るホームレスの人の体臭が数メートル先から臭ったことがありますが、あれをもっとすごくした感じでしょうか。

<カレンでもボスニアでも夜間や見通しがあまり効かない場所では、視覚や聴覚と共に、嗅覚にも多くの注意を払ったのは言うまでもない。死角に入られたら視覚は役に立たない。音を発しなければ聴覚も役に立たない。しかし臭いだけは、どんなに死角に入っていようが、どんなにじっとしていようが、絶対に拡散を防ぐ事はできないからだ>

 ランボーはじめ、ハリウッド映画の戦場のヒーローたちは、気をつけた方がいいようです。
 あと口臭も、ストレスなどで倍増しますから、戦場ではときにヤバイのではないかと思います。
猫のてっぺん
しろさんのてっぺん
 新年早々、ノンストップで執筆、一区切り(マラソンの給水ポイントみたいなー)ついたとこです。(すぐに仕事です);
 ところで
 我が家の通い猫のしろさんですが
 ご覧のとおり、頭のてっぺんがへこんでます。それはもうくっきりと。
 横から見ると、まるで頭頂部に谷間があるみたいで、月明かりが斜めに当たってるときなど、はっきり影になって見えます。
 いろんな猫を見てきましたが、ライオンとかならともかく、普通の猫でこんな子、あまり覚えがないんですが
 皆様のまわりの猫さんはどうですか?♪
2001・2010・・・
『2001年宇宙の旅』
 友人のブログで気づいたのですが、2010年と言えば思い出すのが
 アーサー・C・クラークの壮大なSFシリーズの二作目
『2010年宇宙の旅』

 一作目の
『2001年宇宙の旅』
 は、今更私ごときが解説するまでもないSF界の金字塔(日本語に訳された小説として今読むとするとハヤカワの『決定版2001年宇宙の旅』)ですが
 今年2010年は、その続編
『2010年宇宙の旅』
 の舞台となる年です。

 クラークのシリーズはそのあと
『2061年宇宙の旅』
 と続き、4作目の
『3001年終局への旅』
 で完結・・・と言うか、彼が亡くなったので結果的に完結してしまったのですが、もし生きていたら
『4001年』
 を描いていたかもしれません。
 ちなみに私はまだ、その4作目を読んでいないのですが(爆)

 思えば、一作目の『2001年・・・』がスタンリー・キューブリックの手によって映画化されたのは、1960年代の終わりでした。今見ても迫真の映像はバケモノとしか言いようがありません。
 あれから40年以上が過ぎて私、いや私たちにとって
 2001年は過去となり、2010年にまでたどり着きました。
 『2001年・・・』の映画公開当時小学生だった私は、50代に突入しています。
 まさか自分がこんな時代に生きようとは。
 通常の日本人男性の寿命から推測すれば、別に不思議もないですが、実感としては希薄です(笑

 蛇足になりますが、私がマンガ家になった1978年当時は、マンガ界において(編集部において)SFは非好意的に迎えられていました。とりわけ未来モノ。
 新人が投稿するのに、物語のイントロで
「200×年・・・」
 とか、書いただけで敬遠されたものでした。
「200×年」は、遠い未来、荒唐無稽の代名詞だったのです。
 それが「2010年」です。思わず笑みがこぼれます(あの当時、荒唐無稽と退けた人たちは、今どんな感覚でこの時代を生きておいででしょう?♪)。

 話はクラークに戻りますが
 私の作品世界における「当時」の年齢を言うと
 2001年・・・42歳
 2010年・・・51歳
 すると
 三作目の
 2061年には、102歳になっています。
 いや、おそらくなっていないでしょう(笑
 マンガ家は過酷な商売ですから、そこまで肉体がもつとは思えません。そう長生きしたいとも思いません。
 そのころにはおそらく、私もクラーク氏と同じ世界の住人でしょう(いや、必ずしもそうとは限りませんが)♪
 スターチャイルドの見習いとして、衛星軌道に漂うでしょうか(笑
 世界がどうなっているのか見当もつきませんが、まずはここまで来れた事を、すべてに感謝しています。 
2010年 謹賀新年♪
2010年賀状
 2010年、あけましておめでとうございます。
 この元日で51歳になりました。
 今年の年賀状は寅年ということで、通い猫のしろさんをモデルに縞模様を描き加えてみました。
 毛皮も虎らしく黄色に・・・と思ったのですが、モデルのしろさんが白猫のため、ホワイトタイガーふうに薄い黄色に変えました。
 今年はまた新たな山本貴嗣をお見せできるよう企画中です。
 ふつつかなマンガ家ですが、どうぞよろしくお願いします。
 2010年が皆様にとって、実り多い豊かな年になりますように♪
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