あつじ屋日記
まんが家・山本貴嗣(やまもとあつじ)の日記です。 作品から日々思うことまで色々書いてます。
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ヴィレッジ・ピープル
ヴィレッジ・ピープル・ベストアルバム

 ゲーム『メタルマックス2:リローデッド』に出てくる「人間&キャタピラ・ビレッジ」の連想で久々に聞きたくなって30年ぶりくらいにヴィレッジ・ピープルのCD購入。
 メンバーが全員メタマの世界の住人で何の違和感もないのに爆笑。
 左下のメカニックなんかまんまやんw

 あ、中身も楽しくサイコーです♪
パパに贈る歌
 私の同業者の友人に、大変オトコマエな女性がいるんですが
 旦那さんが近年「うつ」で、とうとう仕事もやめちゃって50代にして引きこもり状態。
 私や友人には理解できない「超」がつく「小心」な方で、こういう言い方は申し訳ないかもですが、うつ経験者の私(友人も経験者です)から見てもあまりな○○○っぷりに、かける言葉も、もはや思い浮かばないきょうこのごろ。
 家庭はもう長いこと、友人(奥さん)が、がんばって人一倍働いて支えています。
 いや、旦那さんの失業保険もあるし、借金もあるしで、完全に一人で支え切ってるわけではけしてないのですが

 でも友人はその旦那さんをずっと愛しているし、何よりお嬢さん(まだ小学生!)がパパのこと大好きで
 最近パパに音楽CDをねだっていてパパが買ってあげたら
 実はお嬢さん、その曲をパパに聞かせたかったらしいんですね。
 私(山本)はこれ全然知らなかった(ファンの方すみません)んですが

 SEAMOの「Continue」って曲で
 「威風堂々」の曲に、ラップで歌詞がついて、これが凄くいいらしいんですね。
 「威風堂々」は私も大好きな曲で、仕事中よくかけてます(VERA LYNNの「Land Of Hope And Glory」)。

 ニコ動では曲も聴けるそうです(こちらです)。
 私はニコ動登録してないんで聴けてません(すみません)(爆)。

 パパは「いい曲だ」って喜んでたようです♪

 ちなみにこれには「後日談」ならぬ「前日談」がありまして
 あいかわらずらちもない繰言を続ける旦那さんに、友人がある日さすがにブチキレて、思わず顔面にパーンチ!ちなみに、友人は中学時代、学校の剣道部が物足りなくて町の道場で腕を磨き、学校では男子も誰もかなわなくなって相手してもらえなくなり、その後は合気道場にも通った猛者。旦那さんはまったくかないません(笑)。
 妻に殴られ
 「オレなんか死んだ方がいいんだ、生きていてもなんの希望も・・・」
 などと落ち込む旦那さんに、お嬢さんが
 「パパが本当にそう思うんだったら止めないよ。好きにしていいよ。でも本気じゃないでしょ」
 今は考える時間がいるから、そっとしといてあげてママ」
 ママそれ以上つっこめなくなっちゃったそうです。
 いや、なんと言おうと、結局旦那さんの味方なんですよね奥さんも(パパ大好きなお嬢さんは言うまでもなく)♪

 ・・・・・・・・。

 ええ娘さんや(泣)。
 こんな奥さんとお嬢さん、世界中探しても他にどこにもおらへんで(って、なぜ関西弁)。 
 せかしてもなんにもなりませんから、まあ生暖かい目で見守るくらいしかできないんですが、昨日も夜中まで働くママを手伝って自分から皿を洗う小学生のお嬢さん。幸多かれと祈ります。

 パパの復活がいつかは神の味噌汁。
 あまり煮過ぎると塩辛くて飲めなくなるから、適当なところで火を止めてー!!


追記
 お客様からようつべのURLをお教えいただきました。私にも見れました聴けました。ありがとうございますー♪
中島新譜『I Love You 答えてくれ』
ちょっと長いです今回(すみません);

 先日友人の漫画家さんと電話してたら(子供いや少なくとも姪っ子くらい歳の離れてる人ですが)
「中島みゆきの新しいアルバムいいですよー♪」
 と
 私が中島ファンであることをご存知で、あちらもけっこうお好きだったせいなんですが教えてくれまして
 久々に私買いました。

 私は若い頃から中島姐さん(の歌)は好きですが、さすがに失恋系の歌はずいぶん昔に興味が失せて、もっぱら人生歌ってる歌を愛聴してました(いや恋愛に仮託してもっと高次のテーマを歌ってるものもあるんでしょうが)。
 姐さんとはなにか訴えたいことにあい通じるものがあって(おめえの作品そうは見えねーと言われそうですがあるんです)以前も書いたことがありますが、あのヒット曲『地上の星』の数年前に、拙著『超(チャオ)』で「人は地の星」というセリフで一くさりヒロインが語ってたりとか(笑

 私は近年どこまで愛と光を追求できるかが人生のテーマに(元々そっちを目指してはいたけど、本当に火がついたのはこの2~3年)なってるんですが、電話した友人の話では今回の新譜
『I Love You 答えてくれ』
 では、そういう方向に姐さんも行ってるのが全編に流れてるというので。
 最近の2~3枚はアルバム買わなくなってたんですが、久々に買った私です。

結論から言って、良かったです♪
 さすが姐さん、やるなあ!って感じで。
 とりわけ二曲目の『顔のない街の中で』は、キタキタキター!!
「見知らぬ人の笑顔も 見知らぬ人の暮らしも 失われても泣かないだろう」
 という歌いだしで
 見知らぬ人にはいくらでも冷たく無関心、どころか攻撃的にさえなってしまう人の心に言及し
「ならば見知れ 見知らぬ人の心を 思い知るまで見知れ 顔のない街の中で」
 と歌います。
 うわー、まいりました。
 これって私の今の最も重要なテーマというか、まあこの世に生を受けて「在る」意味だったりするんですが
 ここまで直球勝負で歌った歌を私は知りません。
 これ一曲でも脱帽です。泣きました。
 蛇足ですがこれ、他人に説教する歌じゃなくて、自分に突きつける歌だと私は思います。
「見知らぬ人の心を思い知るまで見知れオレ」ってことですね(笑

 ほかにもいい歌色々あるんですが
 ここで思うのは、中島姐さんのバランス感覚です。
 美輪明弘さんが言ってましたが、ある種の悟りというか人生を達観した境地にいくと、その本人はいいけど、一般のお客様と感覚がずれてしまって人の心に寄り添い訴える歌や芝居ができない。だからまた後戻りして歌い演ずるみたいな。言葉は正しくは覚えてませんがそういう意味のことです。
 これってまったくそうだと思うんですが
 正直辛いことだと思います。
 言うなれば、無駄なストレス解消法を見つけてゴミに出したのに、また拾ってつけなきゃいけないんです。なにが悲しゅうてそんなことを・・・って、それが使命だったりして(笑

 中島姐さんも延々そうですよね。
 どこまであえて後戻りしてるのか、実は本人が足踏みしてるのかわかりませんが
 でも頭のいい人ですから、かなり「わかった上で」やっておいでなのでしょう。

 私は正直ルサンチマン(怨みとか憤りとか)をベースのメッセージはもううんざりしてまして、それを手放さないと本当の意味での愛も平和もないだろうと思うものですが
 本当にそこいっちゃうと普通の人がついてこない。
 わかってる人だけしか納得してくれなくて、でもわかってる人にはそんなメッセージあまり必要ないんですよね(もうわかってるんですから)。

 「健康な人に医者はいらない」
 という意味のことをイエスも言ってましたが、そういうことです。
 本当に励ましや癒しを必要としているのは、むしろ、そういうもの遮るもろもろを手放せないでいる人なわけで
 ある意味医者や警官と同じジレンマ。
 病気の人、犯罪者がなくなることがテーマであるけど、そういった人々が存在しないと成立しない職業。本当は健康な人、心と行い正しき人(何が正しいかという議論はとりあえず置くとして)とだけ接して生きられたら、それが最高にお気楽なんですが
 そうじゃないのを前提に選んだ職業なわけです。

 漫画家などというのも一応エンターテイナーの端くれなわけですが
 エンターテインメントを必要としている方は、心のどこかに満たされないものを抱えておいでなわけです。
 無論ピンキリで、怒りや悲しみで絶望のどん底にある方から、かなり概ねハッピーでマンガなんかあってもなくてもどうでもいいという方まで様々でしょうが
 でも物質的にも精神的にもなにもかも満たされいて、幸せおなかいっぱいー!という方は、普通娯楽を求めません。何しろ日常自体が娯楽なんですから(笑)。求めても、熱心に買いあさったりましてやファンレターやアンケートを書いてくださったりはなさらないでしょう。

 誤解をされるといけないんですが、これは別に「満たされている者が満たされない者に幸せをおすそわけする」とかいう意味ではなくて、八百屋さんが野菜を売るように、魚屋さんが魚を売るように、
 娯楽という商品を売るのがエンターテイナーなだけです。
 エンターテイナーはエンターテイナーで、様々な悩みや苦しみがあるわけですが、それはそれとしてお客様に楽しんでいただくのが商売なわけです(不治の病を持ったお笑い芸人とかもおいです)。

 んで、えーと

 その「後戻り」なんですが
 このアルバム一曲目は『本日、未熟者』という、いきなり読者目線いや聴き手目線の内容で
 まあいいそれは。ある意味定石でしょう。
 気になったのは最後の表題曲『I Love You 答えてくれ』ですが。
 これ中島姐さん流にアガペーを歌ってる歌です。無条件の愛ですね。

「何か返してもらうため 君に愛を贈るわけじゃない
 あとで返してもらうため 君に時を贈るわけじゃない」

「愛さずにいられない馬鹿もいる 悩まないで受け取ればいいんだよ」
 とそこはいいんですが、最後に

「受け取ったと答えて欲しいだけさ I Love You 答えてくれ」
 とサビに入るんですが

 うーん、惜しい。
 私の感想としては「惜しい」。
 その「答えてくれ」も手放したら楽になるのに。アガペーなのに。
 誰かのためじゃなくて(ためにもなるけど)自分自身のため、無用の苦悩にさよならするために、その「答えてくれ」ともさよならすればいいのに。

 ちょっと話はずれますが、最近新聞広告などで、加島祥造という人の『求めない』という本を見かけます。
「ほんの3分でも求めないでいてごらん。不思議なことが起こるから---。求めない---すると、何かが変わる。
 求めない すると心が広くなる
 求めない すると恐怖心が消えてゆく
 求めない すると一つの調和が起こる
 求めない すると待つことを知るようになる」
 とありますが。
 まったくそのとおりだと思います。「16万部突破」とか書いてありましたが、そういうメッセージが世に入れられるのはいい事だと(中身読んでませんが、この広告で書かれている内容に偽りがなければ)思うのですが
 一方で複雑な気持ちにもなりました。
 これって昔からあまたの賢人聖人が訴えてきたことだと思うんですよね。イエスしかり釈迦しかり。近年ではガンガジの『ポケットの中のダイヤモンド』なんかもそうだと思います。だから、この本で始めてそんなことを知った、みたいな読者の声を見ると、この人今までどこ見て歩いてきたのかなーと、いささか脱力するのでした。
 いやこれは私が間違っているのであって、どんな人にもタイミング、縁というものがあり、機が熟さないとどんな宝物も目に入らないわけです。これを読んで救われたと言う方は、出会うべきタイミングで出会うべき本に出会えたわけで、それはとっても幸せなことでしょう。

 しかし
 そういう境地はけして何かのゴールではなく、新しい人生のスタートでもあるわけです。
 そこがわかって始まるネクストステージ。
 実は先日もつまと、作品で訴えられるものって何かって話をしてまして
 無条件の愛を理解できる人はほとんどいないから、それは描くことは難しいのではないかというのがつまの意見。
 私は、確かにそうであった時代もあるけど、もうそういう時代も終わっていくんじゃないかという意見。
 これについて書くとまたエラく長くなるので別の機会にしますが

 中島姐さんの「答えてくれ」は、お客様のために一歩戻って「控えた一手」なのか。本当に自身がそう思っているのか。
 もしそうであれば、「それは愛ではない」いや「不完全な愛」。

 色々考えさせられるアルバムでした。

 姐さんの巨大な才能と類稀な歌声には、ひたすら感服愛聴しております♪

追記
 加島氏の『求めない』について思ったもう一つのこと
 これは、様々な聖賢が大昔から語ってきたことと書きましたが、正しくは語ってきたことの中の一つです。
 私も作品で何かを語る際、色々語ることの中の一つとして語ってしまいそうなんですが
 それでは受け取れない人がいる。
 わざわざこの「求めない」ということ一つにフォーカスすることで、始めて受け取ることができる人がいる。
 そういう親鳥が咀嚼して雛鳥に与えるような作業を、この加島という方はなさっているのかもと。
 人にメッセージを伝えることの難しさを改めて思いました。

 受け取ってもらえないメッセはオナニーといっしょで虚しいものです。それでも時代を超えてわかる人だけにわかってもらえれば、という文言もありますが(イエスや釈迦もそうでしょう)
 マンガなんて本当に風に舞い飛ぶ季節モノですから
 今読んでくださる方の心に響かないとどうにもなりません。
 ああ大変だ大変だ(頭を抱える私です);
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